人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Life with Birds 3

holi3.exblog.jp
ブログトップ
2021年 09月 04日

鳥の論文を読む(その1):本州のクマゲラがピンチ!

はっきりしないお天気で、自宅待機です。新ネタが無いので、鳥関係の学術論文を読んでみました。今日の論文はクマゲラの生態と本州における研究小史です。尚、写真のクマゲラは北海道の個体です。

1831 年に江戸幕府から刊行された「観文禽譜」には、クマゲラは仙台、日光や会津等、東北地方一帯に生息していたと記述されているそうですが、これまで本州でクマゲラの繁殖が確認されたのは、秋田県森吉山(1か所)と白神山地(7か所),十和田八甲田(1か所)そして田沢湖(1か所)の合計10か所だけとの事。最初の繁殖確認は結構最近で1978年の森吉山です。

1978–2014 年までの 36 年間に本州で確実に繁殖が記録され,巣立ちした総数は 49 107 羽ですが、青森県側の白神山地では2008 年度を最後に,秋田県森吉山ノロ川流域では2014 年度を最後に繁殖が記録されていないそうです。この原因として営巣地一帯が世界自然遺産指定地に伴うトレッキングのコース内に含まれることになり、観光客が入り込むなどの人為的攪乱等が考えられる、と筆者は述べています。また2019 年には、白神山地の虎ノ沢などクマゲラの繁殖が確認されていた地域で伐採が行われたことに対し、筆者は林野行政に公開質問状等を含む申し入れを行ったそうです。筆者はクマゲラの減少とクマゲラ研究の後継者がほとんどいないことを危惧されています。

人気blogランキングへ ←一日一回クリックの応援ありがとうございます。
鳥の論文を読む(その1):本州のクマゲラがピンチ!_f0105570_21464786.jpg


by holi23 | 2021-09-04 12:51 | クマゲラ | Trackback | Comments(0)


<< エリマキシギは何と10年ぶり!      メジロのバトル:どちらも引かない! >>